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妊娠と漢方薬


漢方と男性不妊

☆男性が原因の不妊の代表的な異常は精子の数が少ない場合や、精子の運動が悪い、あるいはその両方の異常などです。
 このような精液の異常のほか最近では、勃起不全(インポテンス)や射精障害による不妊も増えています。

男性が不妊の原因になっている場合は、ほとんどが無精子症か精子の運動能力がないということになります。
正常値
精液量・・・・・2.0(ml)以上
 精子濃度・・・・・2000万(匹/ml)以上
 運動率・・・・・・50(%)以上
 高速運動率・・・・25(%)以上
 正常形態率・・・・ 30(%)以上
 白血球数・・・・・100万/ml以下
 PH・・・・・・・・7.2〜7.8
 精子生存率・・・・・75%以上

☆生命の発生は、精子と卵子の受精から始まります。生殖は脂質、特に高度不飽和脂肪酸と非常に関連が深いことが知られています。
 例えば、高度不飽和脂肪酸のひとつであるアラキドン酸の代表的な代謝物、すなわちプロスタグランジン類は、卵形成から排卵、受精、着床、分娩といった母体の中で起こる一連の生殖プロセスに重要です。これに対し、脂質の運搬や輸送に関わる分子群の欠損はしばしば雄性生殖に影響を与えることから、脂肪酸の組成が精子の形成や機能に重要であると考えられてきました。
― 米国科学雑誌「Journal of Clinical Investigation」において研究成果を発表 ― 2010年4月26日
 「脂質が精子の成熟と機能を制御する仕組みを解明」より引用


 ☆精子の構造は、大きく分けて頭部、中片部、尾部に分けられ、精子の運動は、尾部(鞭毛)にある運動装置である軸糸によって起こります。鞭毛は中央に運動装置である軸糸があり、その周りを細胞膜が取り囲む構造です。浸透圧変化などの物理的刺激あるいは卵由来の精子活性化物質のレセプターへの結合が引き金となり、イオンチャネルを介したイオンの出入りが起き、その結果、細胞膜電位が変化する。さらに、膜電位の変化は、アデニル酸シクラーゼの活性化やカルシウムチャネルの活性化によるセカンドメッセンジャー(サイクリックAMP)の増加を引き起こし、最終的にそれらによる軸糸の活性化が起こるというものです。
ー筑波大学 「精子の運動と受精について」より引用ー

☆近年、不妊専門クリニックでは、女性からの不妊相談の中で比率が上がってきているのが、男性が原因の不妊治療についてだそうです。

女性は自分自身のカラダの状態をチェックし、それを改善しようという意識の高い方が多いのですが、男性はあまり積極的に改善しようという動きが見られない状況のようです。
 また、「草食系男子」という言葉が一般化している現代、セックスレスやEDは社会現象にまでなっています。その理由はこんなところにあるようです。
仕事上のストレス・抑圧的な環境・食生活の乱れ・睡眠時間の乱れ・体に悪いものの摂取(タバコ・酒・清涼飲料水)などだそうですが男性の場合「健康なカラダから健康な精子が作りだされる」というのが基本です。

 もちろん、晩婚化、非婚化も影響しているのは言うまでもありませんが、夫婦の妊娠力低下の理由は「ストレスと生活習慣と食生活」だと言えるようです。
また男女共通して言えることは、精子や卵子は活性酸素の影響を受けやすいとも言われています。


☆漢方的病態として気滞血お、腎陽虚、腎陰虚などの状態があり、
精子形成に必要なアルギニン・亜鉛・セレン、精子形成促進作用やアンドロゲンDHEA低下抑制作用のある薬草が用いられます。

ウィキペデアより引用


 顕微授精をして精子を入れたけれど、入れた精子の頭の周りに卵細胞質の膜がかぶっていて、刺激がうまく伝わらないということがあります。
しかし、顕微授精ができているのに受精しにくいということであれば、精子の卵活性化能が弱いというのが一般的な考え方です。

精子力は35歳から低下する

女性の加齢に伴う卵子の老化が妊娠率の低下を引き起こすことはよく知られていますが、男性の加齢が精子の受精能力にどのように影響を及ぼすのかについてはそれほど知られていません。

 そこで、男性の加齢の精子の卵活性化能への影響を調べるべく、妊孕性の確かめられた健常男性25名と男性不妊外来患者で精液所見に大きな異常のない特発性(原因不明の)不妊患者65名を対象に、一人の男性から採取した精子と複数のマウス卵への顕微授精を実施し、その後の卵活性化率から、精子の「妊娠させる能力」を測定(MOAT:mouse oocyte activation test)しました。

その結果、健常男性の精子ではMOATからみた卵活性化能は加齢による大きな低下は認められませんでしたが、特発性男性不妊患者の精子では35歳以降で急速な卵活性化能の低下(35-40歳:62%、40-45歳:52%、45-50歳:39%)が認められました。

このことから、高齢カップルの妊娠率の低下は、卵子の老化だけでなく、男性パートナーの精子機能の加齢による影響も関与している不妊カップルが多数存在すると考えられます。

2014.04
日本産科婦人科学会学術講演会より



氣血不足の精子と正常な精子


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